Eassays by Akemi Iwase



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「かぐや姫と浦島太郎のおとぎ話」


by 岩瀬明美

 私の本棚の隣り同士に並ぶ絵本の「かぐや姫」と「浦島太郎」。実を言うとこのふたりは、皆が寝静まった夜中にデートをしていたのです。恋仲のふたりはいつも楽しく仲良く暮らしていました。かぐや姫は自慢の竹の子ご飯やいも煮などを太郎のためにつくってあげたり、太郎は釣ったばかりの魚をかぐや姫のためにサシミにしたり、ふたりはいつも幸せいっぱいでした。
  それを見せつけられていた隣の金太郎などは、ふたりがうらやましくてうらやましくて、「熊と相撲をとるのもオニ退治ももう飽きたー!!」と思ってしまうほどでした。
 でも、うらやましがっていたのは金太郎だけではありません。もうひとりはなんといっても、浦島海岸沖の海の底の龍宮城に住むやきもち焼きの乙姫様だったのです。乙姫様はある日、家来の亀に浦島の太郎を連れて来るように命令しました。浜に浮き上がった亀は魚釣りに夢中の太郎に、
「もっと美しい魚が沖にいるよ」
と言ってだまし、太郎を背に乗せると猛スピードで龍宮城に連れていってしまいました。

  やきもち焼きの乙姫様は、太郎の気を引こうと一生懸命歌ったり海草などを体に巻き付けて踊って見せたりしたのですが、太郎の頭はかぐや姫のことだけでいっぱい
  乙姫様には全然興味を示しませんでした。
 その頃、陸では大騒ぎ。突然失踪してしまった太郎をかぐや姫は必死で探していました。ところがどこを探しても見つかりません。月に住むかぐや姫の家族は、悲しみにくれて毎日泣いてばかりいるかぐや姫に同情し、天女と馬車を送り放心状態のかぐや姫を月に連れ帰ったのです。

 さて・・・、龍宮城で何をしても太郎の気を引くことのできなかった乙姫様は諦めたのか、太郎を解放しました。大急ぎで陸に戻った太郎は真っ先にかぐや姫の姿を探しました。ところが周りの人から、かぐや姫は月に帰ってしまったことや、太郎が龍宮城にいる間に長い年月が経っていたことを知ったのです。太郎は、
「かぐや姫! かぐや姫! わたしの恋するかぐや姫―!!」
と月に向かって叫びました。

  胸を剣で刺されたかのように苦しみ悲しむ太郎の姿を見た金太郎は、なんとかしてあげられないかと思いました。かぐや姫が太郎に贈ろうと思っていた箱を見つけ出した金太郎は、浜に倒れている太郎のところへ持って行きました。太郎が箱を開けてみると、その中にはピカピカ光る大きな貝が入っていました。太郎はそれを手に取り耳に当ててみました。すると聞こえるのです、かぐや姫の歌声が!

 その後、村の人々は貝を耳に当てて空を見上げ続ける太郎の姿を、浜で毎晩のように見るようになりました。ところがある日、太郎の様子を見に行った金太郎が浜に行ってみると、太郎の姿がありません。しかし太郎がいつもいた場所に行ってみると、砂に馬車の跡がついていた、ということです・・・。
(続く)










岩瀬明美から皆さんへ

エッセー1 こんなところに日本人が!

エッセー2 浦島太郎とかぐや姫のおとぎ話

エッセー3 ある日聖者に会った

エッセー 4 「Don't Cry Mogami」


エッセー5 「時は風と流れていく」

 


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